米国株市場の動向
10月22日の米国株の主要3指数は、ダウが小幅上昇、S&P500とナスダックは下落しました。
指数 | 10月22日終値 | 前日比 | 1ヶ月騰落率 | 年初来騰落率 |
S&P500 | 4,544.90 | -0.11% | 2.16% | 22.81% |
ナスダック総合 | 15,090.20 | -0.82% | 0.25% | 18.83% |
ダウ平均 | 35,677.02 | 0.21% | 2.62% | 18.04% |
直近1カ月の騰落率では、ダウ>S&P500>ナスダックの順でした。
著名投資家ハワードマークス氏の現在の株式相場に対する相場感がニュースになっていましたので紹介します。
今の株式相場は「安い」と「高い」の二択ではなく、「適切」な水準であると考えているようです。
つまり、積極的に大きく追加投資する局面でもなければ、保有株を売るタイミングでもないと言いたいのではないでしょうか。
私も今後の投資戦略は、保有株の売却を避けながら、割安な銘柄に絞って慎重に投資を行う戦略を取る予定です。
S&P500のヒートマップ
S&P500の前日比ヒートマップです。
緑:上昇銘柄 赤:下落銘柄
10月22日の米国株市場は金融セクターで大きな上昇がありました。
・アメリカンエクスプレス(金融):前日比+5.42%
・バンクオブアメリカ(金融):前日比+1.58%
個別銘柄ではフェイスブックやツイッターで大きな下落が見られました。
・フェイスブック(通信):前日比ー5.05%
・ツイッター(通信):前日比ー4.83%
以下に関連するニュース記事を添付しますが、アップルの行った施策が原因でした。
アップルは広告表示を最適化するツールの利用方法を変更し、端末使用者の嗜好を読み取って最適な広告を表示する機能をプライバシー保護の観点から一部制限するようです。
このアップルの施策は携帯広告を扱う企業に悪影響があり、広告主に対して適切なユーザーを選んで広告表示させることが難しくなります。
より詳細な情報が必要な方は以下の記事を参考にしてください。
広告収入を主な収益とするスナップチャットは、株価が1日でー26%の大暴落となりました。
今後もインターネット広告を扱う企業にどのような影響がでるか注意する必要があります。
主要指数のチャートまとめ
米国株の主要3指数の「直近半年間の株価チャート」と「VIX指数」をまとめました。
S&P500指数
9月から10月中旬まで下落していた株価が急激に回復し、最高値を更新しました。
私は10月末から年末にかけてS&P500の緩やかな上昇を予想していました。
しかし、実際には今週だけで予想を大きく超える株価上昇となっているので、正直驚いています。
ここまで急激に上昇してしまうと今後の値動きが予測できません。
来週の値動きをじっくりと観察したいと思います。
ナスダック総合指数
ナスダックも株価が回復していますが、9月初旬の最高値を更新できていません。
米金融緩和の縮小が開始する11月までは、ここから大きく上昇することはないと予想しています。
ダウ工業株平均指数
ダウ平均はS&P500と同様に急激に株価が回復し、最高値を更新しました。
こちらも急激な株価回復があったため、今後の値動きが予測できません。
VIX指数(恐怖指数)
一般的にVIX指数が20以下で楽観的、30以上で悲観的と考えられています。
現在の指数は約15と低いレベルなので市場は楽観的と言えます。
私は9月~10月の期間でVIX指数が30を超える急落の可能性があると予測していましたが、見事に外れました。
しかし、相場が上昇してしまう可能性にも備えるため、保有株を売却しない戦略で臨んでいたので上昇分を逃すこともありませんでした。
セクター別ETFの株価情報
S&P500を構成する11セクターに連動するETFの株価情報をまとめました。
前日比のパフォーマンス順に各セクターを並べています。
セクター | ETF名 | 10月22日終値 | 前日比 | 1ヶ月騰落率 | 年初来騰落率 |
金融 | XLF | 40.62 | 1.40% | 6.84% | 39.68% |
エネルギー | XLE | 57.95 | 0.94% | 14.71% | 52.66% |
生活必需品 | XLP | 71.29 | 0.78% | 0.99% | 6.85% |
不動産 | XLRE | 47.69 | 0.72% | 2.69% | 34.79% |
資本財 | XLI | 104.80 | 0.63% | 4.13% | 21.28% |
公益事業 | XLU | 67.25 | 0.51% | 3.13% | 10.03% |
ヘルスケア | XLV | 131.67 | 0.40% | -0.64% | 16.57% |
素材 | XLB | 84.83 | -0.19% | 4.48% | 18.31% |
情報技術 | XLK | 158.41 | -0.35% | 1.16% | 23.85% |
一般消費財 | XLY | 192.75 | -0.36% | 4.64% | 20.91% |
通信 | XLC | 80.38 | -2.12% | -1.71% | 20.91% |
S&P500 | SPY | 453.12 | -0.10% | 2.24% | 22.87% |
※ステートストリート社発行のETF銘柄情報を記載
金融セクター(XLY)で大きな上昇がありました。
これは米国の長期金利が上昇していることが理由です。
銀行やカードローン会社は長期金利が高いほど顧客への貸し出し金利を高く設定できるため有利に働きます。
一方、通信セクター(XLC)では大きな下落がありました。
これはアップルによる施策変更の影響を受けて、FBやグーグル、ツイッターといった広告事業を持つ企業の株価が急落したためです。
この問題は消費者のプライバシーを守るため実施されているので、今後も広告業界に不利な施策が実施され続ける可能性もあるため、注意が必要です。
では!