日本には優れた投資信託が沢山あります。
投資信託を買ってプロに運用を任せるのも一つの手ですが、
せっかくなら、投資信託のポートフォリオ(構成銘柄)から学んで、個人投資家の強みを生かした投資をしてみませんか?
「長期厳選投資おおぶね」とは?
・投資信託名:「 農林中⾦〈パートナーズ〉おおぶねグローバル(⻑期厳選) 」(以下、「長期厳選投資おおぶね」)
・運用会社:農林中金バリューインベストメンツ株式会社(以下、農林中銀VI)
2014年に設立した、農林中央金庫グループの投資助言会社です。取締役の奥野一成さんはメディアによく出られているのでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
長期・安定的にキャッシュ・フローを創出可能な企業への投資 を投資コンセプトにしています。
「長期厳選投資おおぶね」の投資 ~ 構造的に強靭な企業とは
簡単に表現すると、成長する強い企業へ長期投資する方針の 投資信託です。
ウォーレンバフェットの投資に似ていますね、ファンドHPには投資対象を「構造的に強靭な企業」と定義し、その特徴を3つ挙げています。
「構造的に強靭な企業」
①付加価値の高い事業
⇒問題を解決することで高い収益を上げている事業を行う
②圧倒的な競争優位性
⇒他社が真似できない高い技術や独自サービスを持っている
③長期的な潮流
⇒人口や環境など変化によって長期的に市場が拡大する分野の事業を行う
私は「構造的に強靭な企業」は、個人投資家が長期投資するのに理想的な銘柄の定義だと思います。
長期厳選投資おおぶねは、この定義から20~30銘柄を選定して投資する方針で運営されています。
運用成績
長期厳選投資おおぶねが設定された2017年7月からの基準価格の推移です。
約4年間の運用により、投資信託の基準価格は約1.8倍にまで成長しています。
信託報酬(運用コスト)
長期厳選投資おおぶねの直近の信託報酬は 年間0.43% です。 出所:農林中金バリューインベストメンツ株式会社HP id401002_report3_210514.pdf (nvic.co.jp)
この 0.43%、高いと見るか、低いと見るかですが、私はこの経費を毎年払うのは高いと思います。(投資信託は頻繁に売買しませんし)
長期厳選投資おおぶね の ポートフォリオ(構成銘柄)
長期厳選投資おおぶねのポートフォリオ(構成銘柄)のうち、上位10銘柄をまとめました。
構成銘柄 | 国 | 業種 | 構成比率 | |
1 | 3M | アメリカ | 化学 | 4.3% |
2 | テキサス・インスツルメンツ | アメリカ | 半導体 | 4.1% |
3 | アトラスコプコ | スウェーデン | 産業機器 | 4.1% |
4 | ベリスク・アナリティクス | アメリカ | 保険リスク分析 | 4.0% |
5 | マコーミック | アメリカ | 食料品 | 4.0% |
6 | シャーウィン・ウィリアムズ | アメリカ | 塗料 | 4.0% |
7 | エルメス・インターナショナル | フランス | 衣料品 | 3.9% |
8 | ラショナル | ドイツ | 業務用厨房機器 | 3.9% |
9 | コストコホールセール | アメリカ | 小売業 | 3.9% |
10 | ギーネリッツ | スイス | 水道機器 | 3.9% |
出所:農林中金バリューインベストメンツ株式会社HPid401002_report1_210421.pdf (nvic.co.jp)
※2021年3月末月次運用レポートから自己作成
保有比率トップの「3M」や「テキサスインスツルメンツ」、「コストコホールセール」などは有名企業で、米国株ブログでも紹介されています。
(コストコホールセールが 気になる方はこちら↓)
その他の銘柄は投資対象として一般的ではないと思います。
例えば、「アトラスコプコ」「エルメス・インターナショナル」は、2017年から株価が3倍以上になった優良銘柄です。
各社、じっくり調べてみると、「構造的に強靭な企業」の条件を満たした企業が強い というのは本当だなと感じます。
こういった実績からみても、長期厳選投資おおぶねが選んだ「構造的に強靭な企業」は個人投資家が長期投資するために理想的な銘柄だと思います。
個人投資家が投資信託のポートフォリオをどう生かすか
「じゃあ、どう生かせるの?」
一番簡単なのは、「真似」 です。
上位10銘柄のみを投資信託と同じ比率で投資すれば、構成比の約50%を再現できるので、経費なしで長期厳選投資おおぶねとほぼ同じ投資成果が得られます。
個人投資家の強み を生かすなら・・・
更に構成銘柄を絞ったポートフォリオを組んで圧倒的によいパフォーマンスにできると私は思います。
一般的に、投資信託は値動きを大きさを管理するため、一銘柄の構成比を5%以下にし、銘柄数を20銘柄以上に分散させる制約をかけます。
これは株価ショック時の急落から顧客を守るためですが、投資パフォーマンスを大きく落とす原因になります。
おおぶねのパフォーマンスが物足りなく見えるのは、この制約から本当に投資したい企業へ集中投資できないからです。
農林中銀VIの人もホンネでは「エルメス・インターナショナル」にもっと集中投資したいなど、考えているはずです。
まとめ
今回の記事では日本でも人気のある投資信託の「長期厳選投資おおぶね」について、構成銘柄をまとめました。
プロの選んだポートフォリオから、投資に対する考え方、銘柄の選び方まで学べたら、自分の力になっていきますね。
今後は構成銘柄、各社の分析(株価・業績情報)も増やしていって、本当に良い銘柄が選定されているのか検証します。
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おすすめ図書
■ビジネスエリートになるための 教養としての投資 著者:奥野一成
⇒ 今回紹介した、農林中金バリューインベストメンツの取締役である著者が投資哲学について書いた著書です。
「構造的に強靭な企業」のコンセプトを思いついた経緯が書かれていて面白かったです。
■ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け 著者:ピーター・リンチ
⇒ 1980年代に伝説的なリターンを記録した「マゼランファンド」のファンドマネージャーが行った投資法・思考法が書かれた本です。機関投資家の投資術や思考法を学ぶことができます。
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