米国株市場の動向
10月8日の米国株の主要3指数は、前日比でS&P500とナスダックが下落し、ダウ平均は小さな下落でいした。
直近1カ月の騰落率はマイナスですが、ダウ>S&P500>ナスダックの順となっています。
指数 | 10月8日終値 | 前日比 | 1ヶ月騰落率 | 年初来騰落率 |
S&P500 | 4,391.34 | -0.19% | -2.27% | 18.66% |
ナスダック総合 | 14,579.54 | -0.51% | -4.39% | 14.81% |
ダウ平均 | 34,746.25 | -0.03% | -0.38% | 14.96% |
ナスダックの直近一ヶ月の下落幅が大きくなっています。
これは米長期金利の上昇によって悪影響の出やすい銘柄が多く含まれるためです。
一方、コロナ禍からの経済回復によって恩恵を受けやすいダウの下落幅が一番小さくなっています。
年初来の騰落率では、成長銘柄とバリュー銘柄のバランスに優れたSP500の上昇が一番良いパフォーマンスとなっています。
S&P500のヒートマップ
S&P500銘柄の前日比ヒートマップです。
緑:上昇銘柄 赤:下落銘柄
10月8日の米国株市場はエネルギーセクターで大きな株価上昇が見られました。
・シェブロン(エネルギー):前日比+2.24%
・エクソンモービル(エネルギー):前日比+2.51%
現在、米国株市場全体は下落トレンドですが、エネルギー銘柄については急騰が続いています。
これは原油価格の上昇によるものです。
WTI原油価格のチャート
直近5年間のチャートでは、最も高い価格水準であることが分かります。
コロナ禍の需要喪失から世界経済が回復する中で、原油供給は低水準に抑えられているため価格高騰が発生しています。
現在の原油高は中東やロシアなどの産油国の供給制限によって続いていますが、ひとたび増産の決定があれば急落する可能性が高い価格水準です。
エネルギーセクターの銘柄に追加投資する場合には、原油価格の動向に注意を向ける必要があります。
主要指数のチャートまとめ
米国株の主要3指数の「直近1ヶ月間の株価チャート」と「VIX指数」をまとめました。
S&P500指数
S&P500の株価は急落と回復を繰り返していますが、現在下落トレンドと言えます。
今後の株価推移については、現在の価格水準のまま上昇と下落を続けるのではないかと考えています。
投資戦略についても、大きな急落があれば追加投資に動きますが、それ以外は様子見を続けようと思います。
ナスダック総合指数
ナスダックは明らかに下落トレンドが続いています。
今後の動向についても昨年のような急騰する可能性は低く、じりじりと下げる展開を予想しています。
11月に予定されている米金融緩和の縮小(テーパリング)が始まるまでは手出ししないことが賢明だと思います。
ダウ工業株平均指数
ダウ平均指数は急落と急騰と繰り返していますが、トレンドはS&P500とナスダックと違い横ばいです。
コロナ禍で大きなダメージを受けた工業株が多く含まれるので、経済回復の恩恵を受け、結果として横ばいの値動きとなっています。
VIX指数
VIX指数は、恐怖心理にを反映する恐怖指数と呼ばれ、市場参加者が悲観的となっている時が、投資で利益の出しやすいタイミングとなります。
一般的にVIX指数が20以下で楽観的、30以上で悲観的と考えられています。
現在のVIX指数は約18と低いレベルなので市場は楽観的と言えます。
私はVIX指数が一度30以上となり、その後低下する状況を確認できれば、投資を行っていいタイミングと判断します。
現在のVIXの水準であれば、積極的に追加投資に動くタイミングではないと考えています。
10月8日の米国株セクター別ETFの株価情報
S&P500を構成する11セクターに連動するETFの株価情報をまとめました。
前日比のパフォーマンス順に各セクターを並べています。
セクター | ETF名 | 10月8日終値 | 前日比 | 1ヶ月騰落率 | 年初来騰落率 |
エネルギー | XLE | 56.57 | 3.08% | 18.82% | 49.03% |
金融 | XLF | 39.02 | 0.49% | 3.06% | 34.18% |
資本財 | XLI | 100.95 | -0.01% | -1.44% | 16.83% |
生活必需品 | XLP | 70.05 | -0.11% | -2.96% | 4.99% |
情報技術 | XLK | 151.96 | -0.37% | -3.94% | 18.81% |
一般消費財 | XLY | 182.63 | -0.46% | -0.76% | 14.56% |
通信 | XLC | 80.98 | -0.49% | -4.52% | 21.81% |
ヘルスケア | XLV | 126.94 | -0.50% | -5.56% | 12.39% |
素材 | XLB | 81.18 | -0.55% | -3.39% | 13.22% |
公益事業 | XLU | 64.77 | -0.74% | -6.70% | 5.97% |
不動産 | XLRE | 44.62 | -1.09% | -5.96% | 26.12% |
S&P500 | SPY | 437.86 | -0.18% | -2.48% | 18.73% |
※ステートストリート社発行のETF銘柄情報を記載
エネルギーセクターのみが急騰していることがわかります。
また、年初来騰落率ではエネルギーと金融の2セクターがアウトパフォームしており、これらのセクターの銘柄を保有していたかが今年のパフォーマンスを左右する要素になりそうです。
今後の動向については、テーパリングの開始のよって米長期金利の上昇が続くと考えており、金融セクターの上昇が期待できると予想しています。
一方、危険なセクターとしては、「不動産」「ヘルスケア」の2セクターを考えています。
これらのセクターは2020年に大きく上昇していましたが、現在はピークを過ぎて下落トレンドに入っていると判断しています。
では!
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