米国株市場の動向
9月24日の米国株の主要3指数は、前日比でS&P500とダウ平均が小幅上昇し、ナスダックはほぼ値動きがありませんでした。
直近1カ月の騰落率は、ナスダック>S&P500>ダウの順となっています。
指数 | 9月24日終値 | 前日比 | 1ヶ月騰落率 | 年初来騰落率 |
S&P500 | 4,455.48 | 0.15% | -0.91% | 20.40% |
ナスダック総合 | 15,047.70 | -0.03% | 0.04% | 18.50% |
ダウ平均 | 34,798.00 | 0.10% | -1.72% | 15.13% |
昨年から大きく上昇してきたナスダックの勢いが完全に止まりました。
米金融緩和縮小(テーパリング)は11月開始と予想されており、悪影響の出やすい銘柄が多いナスダックは今後も上昇しにくい相場が続くと思われます。
年末に向けてナスダックとダウ平均の年初来騰落率が同じ水準になる値動きを予想しています。
S&P500のヒートマップ
S&P500銘柄の前日比ヒートマップです。
緑:上昇銘柄 赤:下落銘柄
9月24日の米国株市場は金融セクターで大きな株価上昇が見られました。
米銀行を中心とする金融セクターは米金融緩和による長期金利の低下から、貸し出しローン金利が下がってしまい利益を圧迫されていました。
しかし、これから金融緩和が縮小されることで、長期金利が上昇することが予想されるため、金融セクターの銘柄にとって有利な環境が戻りつつあります。
・JPモルガンチェース(金融):前日比+1.15%
・バンクオブアメリカ(金融):前日比+1.08%
・ビザ(金融):前日比+1.44%
個別銘柄では、ナイキが-6.26%の大暴落となりました。
関連するニュース記事のリンクを以下に貼ります。
要約すると、ナイキ製品の生産工場が集中しているベトナムでコロナ禍によるロックダウンが実施されたため、今後在庫不足が深刻になる可能性が報道されました。
ナイキはスニーカーの約50%、アパレルの3分の1をベトナムで生産しているため、主力製品の生産・供給が滞ることは間違いない状況です。
上記報道を受けてナイキの2022年の成長率予想が下がるとの思惑から、昨日の暴落が発生しました。
だだし、このニュースはいずれ改善される問題であるため、短期的な悪影響となる可能性が高いです。
超優良銘柄の絶好の買い場となるか注視してみる価値がありそうです。
主要指数のチャートまとめ
米国株の主要3指数の「直近1ヶ月間の株価チャート」と「VIX指数」をまとめました。
S&P500指数
直近の急落から株価が回復し、その水準で横ばいの値動きとなっています。
短期的には急落の原因となった中国不動産企業のデフォルト懸念による経済ショックは回避されそうです。
しかし、9月と同様に10月も歴史的に株価のボラティリティが大きくなりやすい月であるため、安易な追加投資は控えたほうがよいと考えています。
ナスダック総合指数
ナスダックもS&P500と同じ値動きとなっています。
ダウ工業株平均指数
ダウ平均指数も同様にS&P500と同じ値動きとなっています。
VIX指数
VIX指数は、恐怖心理にを反映する恐怖指数と呼ばれ、市場参加者が悲観的となっている時が、投資で利益の出しやすいタイミングとなります。
一般的にVIX指数が20以下で楽観的、30以上で悲観的と考えられています。
現在のVIX指数は約17と低いレベルなので市場は楽観的と言えます。
短期的に上昇していたVIX指数は下落トレンドに変わりました。
直近の急落は中国発の金融危機の可能性があるとして「世界同時株安」と大きく報道されましたが、VIX指数で見ると大きな調整なく落ちついたと言えます。
私はVIX指数が一度30以上となり、その後低下する状況を確認できれば、投資を行っていいタイミングと判断します。
今回の急落は追加投資するタイミングとは考えませんでした。
9月24日の米国株セクター別ETFの株価情報
S&P500を構成する11セクターに連動するETFの株価情報をまとめました。
前日比のパフォーマンス順に各セクターを並べています。
セクター | ETF名 | 9月24日終値 | 前日比 | 1ヶ月騰落率 | 年初来騰落率 |
資本財 | XLI | 100.85 | 1.53% | -3.64% | 16.71% |
通信 | XLC | 82.45 | 0.82% | -2.00% | 24.02% |
エネルギー | XLE | 50.90 | 0.75% | 4.37% | 34.09% |
ヘルスケア | XLV | 131.98 | 0.72% | -2.46% | 16.85% |
金融 | XLF | 38.22 | 0.53% | -1.19% | 31.43% |
一般消費財 | XLY | 184.90 | 0.37% | 1.66% | 15.98% |
情報技術 | XLK | 156.71 | 0.07% | -0.49% | 22.53% |
生活必需品 | XLP | 70.62 | 0.04% | -1.73% | 5.85% |
素材 | XLB | 81.07 | -0.15% | -5.09% | 13.07% |
不動産 | XLRE | 45.91 | -0.49% | -1.10% | 29.76% |
公益事業 | XLU | 65.14 | -0.53% | -5.20% | 6.58% |
S&P500 | SPY | 443.91 | 0.16% | -1.11% | 20.37% |
※ステートストリート社発行のETF銘柄情報を記載
これまでコロナ再流行や経済減速の影響を大きく受けていた資本財セクターが一番大きな上昇でした。
一方で、経済が良好な時期に株価が伸びにくい公益事業分野は継続的に売られていました。
では!
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