ブラジル国内の大企業にインデックス投資できるETF「EWZ」を紹介します。
最近の原油価格や資源価格の高騰から、天然資源が豊富なブラジルへの投資が注目されています。
皆さんはブラジルに投資するアイデアについてどう思いますか?
EWZの概要
iシェアーズ MSCI ブラジルETF(EWZ)は、ブラジル企業で構成された株価指数に投資するETFです。MSCIブラジル25/50インデックス指数の株価と利回りに連動します。
ブラジル企業の詳細な情報を収集することは難しいですが、この銘柄1つでブラジル国内の大型企業に対して分散投資することができます。
銘柄 | EWZ(ブラジルETF) |
発行元 | ブラックロック社 |
設定日 | 2000年7月 |
ベンチマーク | MSCIブラジル25/50インデックス指数 |
組入れ銘柄数 | 51銘柄 |
ファンド資産 | 約54.6億ドル |
経費率 | 0.57% |
直近配当利回り | 8.77% |
引用元:https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/products/239612/ishares-msci-brazil-capped-etf(22年2月13日公開データから引用)
ブラジルの特徴
ブラジルは世界第6位の人口(約2億1千万人)を持ち、労働者人口の割合も非常に大きい理想的な人口ピラミッドを形成している新興国です。
国土は世界5位の広大な国土(日本の約23倍)を有しており、油田や鉱物などの天然資源に恵まれている他、農産物や食肉についても世界有数の生産国です。
一方、政治的では不安定な面があり、元大統領が汚職事件によって逮捕されていたり、高インフレ率への懸念があります。また、2019年1月より現職となったボルソナロ大統領は過激な発言が目立つため、南米版ドナルド・トランプとも揶揄されています。しかし、ブラジル政府の財政赤字と債務残高は共に小さく、財政状況は非常に健全であるため投資先としての不安はそこまで大きくありません。
ブラジルは世界経済が順調に推移する環境下では、これからも成長する余地を残した魅力的な新興国と言えます。
EWZの構成銘柄
EWZの上位10銘柄の業種と構成比率をまとめました。
銘柄 | 業種 | 構成比率 | |
1 | ヴァーレ(VALE3) | 素材 | 19.4% |
2 | ペトロブラス PREF SA(PETR4) | エネルギー | 7.8% |
3 | ペトロブラス(PETR3) | エネルギー | 6.6% |
4 | イタウ・ウニバンコ(ITUB4) | 金融 | 6.1% |
5 | バンコ・ブラテスコ(BBDC4) | 金融 | 5.2% |
6 | ブラジル・ボルサ・バルカオ(B3SA3) | 金融 | 4.2% |
7 | アンベブ(ABEV3) | 生活必需品 | 3.4% |
8 | ウェグ(WEGE3) | 資本財・サービス | 2.7% |
9 | スザノ(SUZB3) | 素材 | 2.3% |
10 | イタウサ(ITUS4) | 金融 | 2.2% |
引用元:https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/products/239612/ishares-msci-brazil-capped-etf(22年2月13日公開データから引用)
1位 ヴァーレ(素材)
鉄鋼石の生産会社であり、鉄鉱石とニッケルの生産高では世界最大の企業です。特にブラジルの鉄鉱石は品質が高く、鉄鋼製品を生産する国々に輸出されています。特に中国の建設業や自動車産業への輸出が多いため、中国経済の動向に業績が左右されます。
2・3位 ペドロブラス(エネルギー)
ブラジル最大の原油生産量を誇る石油企業であり、ブラジル政府が普通株式の50.3%を保有する国営企業でもあります。生産した石油・天然ガスは、ブラジル国内にある自社の精製所で精製し、ブラジル国内や世界の消費国に供給しています。原油価格の推移によって業績は大きく左右される傾向があります。
4位 イタウ・ウニバンコ(金融)
ブラジル国内最大手の銀行であり、南米での最大の事業規模を誇ります。近年は買収によって規模を拡大させており、ブラジル国外に支店網を保有しています。
EWZの産業セクター別構成比
ブラジルETFを構成する51銘柄の産業産業セクター別構成比は以下の通りです。
ブラジルは国内の天然資源を生かしたエネルギーや素材の銘柄が約50%を占めます。
そのため、現在の原油や農業製品の価格高騰が続くようであればEWZの株価を上昇させる可能性が高いと思います。
EWZの株価動向
EWZの長期株価チャートです。
ERUSは2000年からの設定来ではプラスリターンですが、右肩上がりの株価とはなっていません。また、リーマンショックやコロナショック時には、株価が暴落しています。
つまり、長期で保有していても大きな利益に繋げることが難しい銘柄であることが分かります。
一方で、値動きは比較的大きく、数ヶ月から数年の時期であれば2倍の株価になる可能性も十分にあります。
過去にEWZを取引したタイミング
私が過去に「EWZ」を取引したタイミングについて紹介します。
私が投資を始めて最初に購入した銘柄が「EWZ」でした。
2016年当時のブラジルは汚職事件によって政治が混乱し、原油価格も急落したタイミングだったためEWZの株価は暴落していました。
私はブラジルの政治と経済の状況が最悪だったことから逆張り投資をするタイミングと判断し、約250万円分を購入しています。
この投資ではトランプ大統領の当選時に売却し、約100万円の利益を得ることができました。
EWZは私の始めての投資で利益を出すことができた良い思い出のある銘柄でした。
まとめ
iシェアーズ MSCI ブラジルETF(ERUS)は、ブラジル企業で構成された株価指数に投資するETFであり、MSCIブラジル25/50インデックス指数の株価と利回りに連動する。
EWZはエネルギー銘柄と素材銘柄で約50%を占める。
原油や農業製品の価格高騰が続く場面でEWZの株価は上昇する可能性が高い。
では!