ロシア国内の大企業にインデックス投資できるETF「RSX」を紹介します。
ロシアによるウクライナ侵攻の可能性からロシア株は急落しており、逆張り投資を狙える可能性があります。
まだタイミングは早いですが、暴落したロシアに投資するアイデアについてどう思いますか?
RSXの概要
ヴァンエック・ロシアETF(RSX)は、ロシア企業で構成された株価指数に投資するETFです。MVIS Russia TR指数の株価と利回りに連動します。
この銘柄1つでロシア国内の大型企業に対してインデックス投資することができます。
銘柄 | RSX(ロシアETF) |
発行元 | ヴァンエック・グローバル社 |
設定日 | 2007年4月 |
ベンチマーク | MVIS Russia TR指数 |
ファンド資産 | 約13.7億ドル |
経費率 | 0.64% |
直近配当利回り | 6.62% |
引用元:https://www.bloomberg.co.jp/quote/RSX:US(22年2月19日公開データから引用)
ロシアの特徴
ロシアは広大な領土を持ち、石油や天然ガスなどの天然資源が豊富な大国です。国家収入の大部分は石油・天然ガスの輸出に頼っているため、原油価格の推移が経済にとって最重要事項となります。
また、政治面ではプーチン大統領を中心とした独特の政治体制が特徴です。
2022年現在では、ロシアのウクライナ侵攻が現実味を帯びていることが報道されており、軍事面での動きも注意することが必要です。
過去、ロシアの軍事行動を行い、欧米から経済制裁を課されることが続いていました。その度にロシアの国内経済は混乱・疲弊してしまうため、決して安心できる投資先とは言えません。
しかし、このような政治体制や軍事面での政情不安が理由となり、ロシア企業の株価は割安な水準で放置されることが多いため、ロシアETFである「RSX」も割安な株価を付けていることがしばしばあります。
政治と軍事の政情不安が解消され、かつ原油価格が高騰がする期間では、ロシア企業の株価が急騰する傾向があるため、投資上級者にとっては妙味のある投資対象国と言えます。
ERUSの構成銘柄
ERUSの上位10銘柄の業種と構成比率をまとめました。
銘柄 | 業種 | 構成比率 | |
1 | ガスプロム | エネルギー | 8.20% |
2 | ルクオイル | エネルギー | 7.71% |
3 | スベルバンク | 金融 | 7.62% |
4 | ノリリスク・ニッケル | 素材 | 6.58% |
5 | ノバテク | エネルギー | 6.44% |
6 | タトネフチ | エネルギー | 5.87% |
7 | ロスネフチ | エネルギー | 5.23% |
8 | ポリウス | 素材 | 4.40% |
9 | ポリメタル・インターナショナル | 素材 | 4.03% |
10 | マグニト | 食品小売り | 3.94% |
引用元:https://www.bloomberg.co.jp/quote/RSX:US(22年2月19日公開データから引用)
1位 ガスプロム
世界最大のガス会社であり、ロシア政府が50%以上の株式をもつ半官半民の企業です。ロシアのガスパイプラインを支配しており、生産したガスをヨーロッパや旧ソ連圏諸国に輸出しています。ロシアの国内総生産(GDP)の1割前後を稼ぎ出すロシア最大の企業です。
2位 ルクオイル
ロシア最大の原油生産量を誇る石油企業です。ロシア国内の西シベリアで主力事業を展開しているが、アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、エジプト、コロンビア、イラク、サウジアラビア、イランでも石油・ガス開発プロジェクトを進める多国籍企業です。
3位 スベルバンク
ロシア国内の最大手の銀行です。1841年にロシア皇帝のニコライ1世によって設立された貯蓄銀行を起源とする名門銀行であり、現在ロシア人の約70%が同銀行のサービスを利用している。独自の暗号資産(仮想通貨)の開発も進めている。
RSXの産業セクター別構成比
ロシアETFを構成する上位10銘柄の産業産業セクター別構成比は以下の通りです。
ロシア国内の豊富な資源を生かしたエネルギーや素材の銘柄が約70%を占めており、原油価格や資源価格の推移が株価に対して大きな影響を与えます。
RSXの株価動向
RSXの長期株価チャートです。
RSXは2007年からの設定来ではマイナスリターンです。つまり、長期で積み立て投資する対象としては向いていない銘柄です。また2021年後半から現在までウクライナ情勢が悪化するにつれて株価は急落しています。こればロシアの政治・軍事面での不安定さを表していて、難しい投資対象であると言えます。
一方、直近コロナ禍以降では資源価格(原油・素材)の高騰から株価は急騰していました。売却を前提とした短期から中期での投資であれば、原油価格や資源価格との連動が見られるため利益を狙いやすい銘柄でもあります。
資源価格の高騰によって株価が上昇し、軍事行動によって株価が下落するという、いかにもロシアらしい値動きとなっていますが、今後この軍事的な緊張が緩和されることがあれば、資源価格の高止まりによって再び株価が高騰する可能性が考えられます。
ロシアとしても、欧米からの経済制裁を受けることで経済へのダメージを受けてしまうため、常に軍事的な緊張を高めたままにすることはできず、どこかのタイミングで緊張緩和に動く必要があります。
つまりRSXには逆張り投資を行うチャンスが近づいていると言えます。
まとめ
ヴァンエックロシアETF(RSX)は、ロシア企業で構成された株価指数に投資するETFであり、MVIS Russia TR指数の株価と利回りに連動する。
ロシアの政治面や軍事面での政情不安を理由に、ロシア企業の株価は割安な水準で放置されることが多い。
今後、ウクライナでの軍事的な緊張が緩和されたタイミングで、原油価格や資源価格が高騰していれば株価が急騰する可能性が考えられる。
では!