米国株市場の動向
10月15日の米国株の主要3指数は、すべて上昇しました。
特にダウ平均は約1%上昇しており、工業株銘柄が非常に好調でした。
指数 | 10月15日終値 | 前日比 | 1ヶ月騰落率 | 年初来騰落率 |
S&P500 | 4,471.37 | 0.75% | 0.87% | 20.83% |
ナスダック総合 | 14,897.34 | 0.50% | -0.97% | 17.32% |
ダウ平均 | 35,294.76 | 1.09% | 2.05% | 16.78% |
直近1カ月の騰落率は、ダウ>S&P500>ナスダックの順となり、ナスダックはマイナスでした。
今後もコロナ禍からの回復が進むにつれて工業株銘柄の株価は好調になると思います。
一方で、経済の回復が進むと米長期金利が上がることが予想され、事業育成に多額の投資が必要なハイテクグ銘柄・グロース銘柄に不利な環境となることが予想されます。
現在は来年に向けてポートフォリオのバランスをハイテク・グロース中心から、工業株銘柄中心にリバランスし始める時期だと考えています。
S&P500のヒートマップ
S&P500の前日比ヒートマップです。
緑:上昇銘柄 赤:下落銘柄
10月13日の米国株市場は金融と生活必需品の2セクターで大きな上昇がありました。
・JPモルガンチェース(金融):前日比+1.91%
・アマゾン(生活必需品):前日比+3.31%
・テスラ(生活必需品):前日比+3.02%
個別銘柄ではウェルズファーゴが急騰しました。
・ウェルズファーゴ(金融):前日比+6.78%
同社の株価はコロナショック時に暴落しましたが、その後大きく回復しています。
ウェルズファーゴの株価推移
過去を振り返ると昨年2020年6月~11月が逆張り投資を行う絶好のタイミングでした。
米銀行銘柄は経済危機が生じると、米政府から配当停止・自社株買い停止・引当金の差し入れ(貸し倒れに備えて予め資金を準備すること)などの規制を命じられるため、株価が暴落します。
ただし、経済危機から回復する段階では上記の規制が撤廃されるため株価が長期的に上昇します。
この銀行銘柄の株価サイクルはリーマンショック時にも見られ、再現性の高いサイクルと言えます。
ただし、現在のような平時に米銀行株を買うと、必ず発生する次の金融危機時に暴落することを覚えておく必要があります。
銀行株は長期上昇と短期暴落を繰り返す銘柄であることを認識し、株価のサイクルを上手に生かすことで利益を得ることができます。
主要指数のチャートまとめ
米国株の主要3指数の「直近1ヶ月間の株価チャート」と「VIX指数」をまとめました。
S&P500指数
S&P500の株価は、9月から続いていたダウントレンドが終わったように見えます。
私は年末に向かってS&P500の株価がジリジリと上がっていくことを想定しています。
ナスダック総合指数
ナスダックもダウントレンドが続いているように見えます。
米金融緩和の縮小(テーパリング)が開始するまでは、横ばいの値動きが続くことを予想しています。
ダウ工業株平均指数
ダウ平均は直近1ヶ月の高値を更新し、上昇トレンドが始まったように見えます。
米国の金融緩和縮小が終われば、「金融相場」から「業績相場」に株価のサイクルが移行し、工業株に有利な相場となります。
今後はコロナ禍からの回復で恩恵を受ける企業、かつ割安な株価が付いている工業株銘柄を買っていくチャンスと見ています。
VIX指数(恐怖指数)
一般的にVIX指数が20以下で楽観的、30以上で悲観的と考えられています。
現在のVIX指数は約16と低いレベルなので市場は楽観的と言えます。
市場が楽観的であると言うことは、ほとんどの銘柄は適正~割高な株価が付いていると言えます。
このようなタイミングでは、割安な銘柄を慎重に探す必要があります。
私は旅行、金鉱山、通信といった業種の銘柄が割安な株価水準になっていると考えています。
10月15日の米国株セクター別ETFの株価情報
S&P500を構成する11セクターに連動するETFの株価情報をまとめました。
前日比のパフォーマンス順に各セクターを並べています。
セクター | ETF名 | 10月15日終値 | 前日比 | 1ヶ月騰落率 | 年初来騰落率 |
一般消費財 | XLY | 189.01 | 1.53% | 2.66% | 18.56% |
金融 | XLF | 39.51 | 1.49% | 5.14% | 35.87% |
資本財 | XLI | 102.89 | 0.96% | 2.55% | 19.07% |
情報技術 | XLK | 155.91 | 0.80% | -0.28% | 21.90% |
ヘルスケア | XLV | 127.97 | 0.49% | -3.78% | 13.30% |
エネルギー | XLE | 57.33 | 0.49% | 16.24% | 51.03% |
素材 | XLB | 84.15 | 0.30% | 3.47% | 17.36% |
不動産 | XLRE | 46.20 | 0.04% | -1.39% | 30.58% |
生活必需品 | XLP | 70.81 | -0.24% | -0.77% | 6.13% |
公益事業 | XLU | 65.68 | -0.29% | -1.08% | 7.46% |
通信 | XLC | 80.32 | -0.32% | -3.39% | 20.82% |
S&P500 | SPY | 445.87 | 0.76% | 1.01% | 20.09% |
※ステートストリート社発行のETF銘柄情報を記載
直近1ヶ月の騰落率では、エネルギーセクターが暴騰しています。
また、金融セクターも急騰と言える上昇となっています。
一方、値下がりが目立つのは通信とヘルスケアの2セクターです。
この内、ヘルスケアセクターはコロナ禍という公衆衛生問題から大きく上昇してきた銘柄であるため、その終息に合わせて株価上昇の勢いが削がれていると分析できます。
ただ、通信セクターの値下がりについてはフェイスブックの影響が大きいですが、その他携帯通信銘柄など様々な業種で大きな値下がりが見られています。
私はこれまで通信セクターの銘柄を保有していませんでしたが、これらの銘柄から割安な銘柄を探していくの面白いと感じ始めています。
本日の更新は以上です。
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