会社員投資家のひよこです。
独特な事業モデルをもつウィートン・プレシャス・メタルズ社を紹介します!
ウィートン・プレシャス・メタルズ社とは
ウィートンプレシャスメタルズ(Wheaton Precious Metals Corp.)は金鉱株銘柄ですが、貴金属専門の商社のような事業を展開しています。「銀」を格安な価格で入手し、それを売却することで収益を獲得する事業モデルです。また、莫大なコストがかかる鉱山開発や、多くの従業員が必要な金属生産には関与しないことで、コストを徹底的にカットした会社でもあります。
※ストリーミング:採掘費用の支払いと引き換えに鉱山で生産された貴金属のすべて、または一部を一定期間受け取る金属購入契約の権利
ウィートン社の金属別生産量
※正確には金採掘企業からの取得量
金属別生産量の資料から、金と同等の「銀」が生産されていることが分かります。 銀は金に対して価格がはるかに安く、かさばる金属であるため、大きな保管倉庫を必要な生産効率の悪い金属です。一般的な金採掘企業は「金」を採掘しますが、金鉱山の鉱石には銀も含まれるため、大量の銀が一緒に採掘されます。銀の販売網を持っていない金採掘企業にとって、価値が低くかさばってしまう銀は処分したい金属クズですが、輸送や販売にもコストがかかる厄介な金属です。
ウィートン社は金採掘企業の銀の悩みに着目したビジネスを展開し、採掘された銀を圧倒的に安い価格で大量に買い取る契約を提供します。また、銀を転売する強固な販売網を構築しておくことで、安く手に入れてた銀を市場価格で販売して差益を得ています。
ウィートン社がストリーミング契約する鉱山
現在、23件の鉱山と8件の開発プロジェクトに関してストリーミング契約を締結しています。同社は、生産中の鉱山や開発段階のプロジェクトとの契約をバランスよく保有することで、コストを圧縮しながら継続した事業収益が得られる資産ポートフォリオを形成しています。
ウィートン社はストリーミング契約で収入を得る特殊な企業ですが、「GDX」や「RING」「SGDM」といった金鉱株ETFファンドの上位構成銘柄として採用されています。同社のティッカーシンボルは「WPM」です。
株価チャート
長期株価チャート
長期的には肩上がりのチャートですが、値動きが非常に大きく、数年単位で低迷する期間もあるため、長期投資に向いていません。特に高値で購入すると、大きな損失に繋がる可能性があります。同社は、銀価格の推移が業績に大きく影響するため、同社への投資を検討する場合には、銀価格の動向を注視する必要があります。ただし、株価が一旦上昇し始めると短期間で数倍にまで上昇するので、短期目線での投資には魅力的な銘柄です。
直近5年間の株価チャート
直近の株価動向は、2019年から株価が上昇し始め、2020年に急騰しました。これは「銀価格」の上昇によるものです。銀価格は金よりも値動きが大きく、歴史的に急騰や暴落を繰り返している金属であるため、同社の株価も値動きが大きくなります。2020年3月頃の一時的な株価下落は、コロナショック時に銀価格が急落したタイミングです。その後、銀価格は急騰したため、株価も短期間で吹き上がりました。
買い時と売り逃げのタイミングを計ることができれば、とてつもなく大きな利益の出せる銘柄です。米機関投資家でも同社は注目されており、伝説的な投資家兼投機家の「ジョージ・ソロス」も同社の株取引で大きな利益を得ていたようです。
業績推移
ウィートン社は鉱山を保有しない特殊な事業モデルのため、他の金採掘会社では達成できない圧倒的な利益率を実現できます。しかし、常に銀価格に対して大きな影響を受けるため、業績は安定していません。そもそも、ウィートン社は安定した業績を期待する企業ではありません。数年に一回大儲けすることを期待する企業です。
配当金
直近の年間配当利回りは1.21%です。
(Investing.comデータから引用)
投資アイデア
私のウィートン社に対する考え方や投資アイデアを紹介します。
ウィートン社の株価は銀価格との関係が強く、リーマンショック後やコロナショック後の銀価格の高騰する局面では、株価が短期間に暴騰しています。しかし、その後の銀価格下落時には株価は大きく下落しました。このように株価の値動きが非常大きいため、短期的に売買することを望む上級者向きの銘柄です。だた、このような企業への投資経験がない方も定期的に銀価格の動向を確認し、2009年や2020年のような銀価格の下落が発生した時には、ウィートン社の株を確認してみてくだい。幸運にもタイミングがよければ、3ヶ月~1年間といった短期的投資で数倍の利益を狙うことができます。
現在は、世界中で金融緩和や政府債務の増大が続いており、長期的なドル価値の下落が予想されています。銀価格はドル通貨の下落時に高騰する傾向があるため、この銘柄への投資チャンスが今後来ると予想しています。私は常に銀価格の動向をチェックしており、チャンスがくればウィートン社への投資に挑戦したいと思います。
最後に銀現物価格に連動するETFである「SLV」の株価チャートを示します。
今後銀価格が下落するチャンスがくればウィートン社への投資情報を本ブログでも更新します。
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